犬の歯周病治療の記録ブログです。
ワンちゃんの歯磨きはしていますか?
うちの子はパピー時代の歯磨きがうまくいかず、歯の見ためが綺麗だったこともあり、途中で諦めてしていませんでした。
そして、正しい歯磨きの知識もないまま、無麻酔の歯石取り、全身麻酔による抜歯に至り、結果的には、その歯石取りや抜歯までもが後悔の原因となりました。
現在は正しい歯磨きの知識を身につけ、信頼のおける先生の元、正しい処置をしてもらっています。
これまでの歯周病治療の記録を事細かにまとめています。(途中に歯の状態の写真を載せているため苦手な方はご注意ください)
少しでも多くのワンちゃんが同じような思いをしませんように。
愛犬の歯周病記録
時系列でうちの子の歯周病記録をまとめました。
当時知らずにやっていた間違っている歯のケアの方法については赤文字で記載しています。
2歳(2010年)
口の臭いが気になり出してきた頃。歯磨きはゴム状の指サックにジェルをつけて行なうものをしていました。歯石がついたら、スケーラーでカリカリと取っていました。
※ゴム状の指サックの歯磨きでは歯垢は取り切れず、歯茎を傷つける原因にもなります
※素人が歯の表面をスケーラーで磨くのは、歯に傷がつき、汚れや細菌が入り込み、歯石付着が進行する原因になります
3歳~5歳(2011年~2013年)
マウスクリーナーやジェル、デンタルキットを購入(無意味でした)
病院やトリミングサロンで無麻酔の歯石取り
歯石取りは毎回すぐに終わり。5歳の時には「1年後の来店でOK」と言われる綺麗さでした。
6歳(2014年)
春頃、トリミングサロンの歯石取りで「歯茎が赤いので処置は少しだけにしておきました」と言われました。後日、動物病院へ行っても「歯茎の赤さ」を指摘される。
歯茎が赤いラインは歯周病の可能性があるから、この1・2年で麻酔して歯石取りを考えられたほうがと言われました。(麻酔は一生のうち2・3回までにしておいた方がいい。高齢になると負担が掛かるから中年のタイミングの方がいいという理由もあり1・2年ということだそうです。)
ティッシュでふくだけでも良いので歯を磨くようにと言われました。
※ティッシュで拭いても表面の歯垢しか取れず、歯茎が傷つく可能性があるのでおすすめしません。
歯茎が赤いだけで具合が悪い様子もないのに麻酔は抵抗がありました。
そこでデンタルケアをメインとしているドッグサロンでカウンセリングを受ける事にしました。結果はこんな感じでした。
<カウンセリング結果>
- 歯周病に進行したら歯が抜け落ちる
- 大事な歯は守らないといけないので歯周病が進行する前に抜ける方がいい
- 今、麻酔をかけるなら歯石取りではなく、歯を抜く方がいい
- 歯石を取ると余計に歯垢がつきやすくなる
- 歯茎が弱っている為、歯石取りは歯茎を痛めるのでNG
- 歯石はいうほどついていない
まずは歯茎を健康的な状態に戻すことが最優先
それまではコットンケア(濡らしたコットンで歯を拭く)を毎日行う。歯茎が健康な状態になれば歯磨きをする。
コットンケアを毎日行なうことによって、歯茎の炎症が落ち着いてきました。歯磨きも出来るようになりました。
※歯磨きをしていなかった頃よりかは良くなっただけで、結果的にコットンケアも歯の表面の歯垢しか取れず歯茎を擦ることになるので、おすすめではないです。
その後半年通い口内の状況は良くなってきましたが、グラグラ揺れている歯もあり、特に歯茎の後退が酷い歯は抜歯した方がいいかもしれないという結果に至り、歯科でおすすめの動物病院を紹介してもらいます。
7歳~8歳(2015年~2016年)
初診で見てもらったところ、歯の状態がよくないから抜歯をした方がいいと言われました。
抜く本数は手術当日の状況をみて決まるから、事前には分からないとのこと。
これまでに無麻酔で歯石取りをしていたことを伝えたら「なんて酷いことを…」と言い放った後に「無麻酔の歯石取りは歯周ポケットの中まで綺麗にできないから、見ためが綺麗になるだけ歯周病はどんどん進行していく。歯の表面も傷つけるからそこからまた悪くなる。」と説明を受けました。
後日、麻酔が受けられるかどうかチェックするための血液検査を行いました。
1週間後、全身麻酔による抜歯手術、抜いた歯の数は15本。
下の犬歯の1本は抜歯ではなくフラップ手術※を行いました。
※歯茎を切開し、深い歯周ポケットに残存しているプラークや歯石などを直接目で確認して除去する外科的処置のこと
抜歯後、お迎えに行くとエリザベスカラーをつけ、元気のない姿。
クンクン泣く声は掠れていて、不安で確認すると麻酔の際にチューブを入れていたからでしばらくすると落ち着くと言われました。
その姿を見るだけでなんてことをさせてしまったんだと涙が溢れてきました。
その後、術後のチェックで数回通院、2ヵ月後に検査を兼ねての歯の掃除でも全身麻酔を使います。経過は良く、更に1年後に検査を兼ねての歯の掃除でまた全身麻酔を使うことに。
至って元気なこの子にこれからも毎年歯の検査と掃除のために全身麻酔を使うの?不安と疑問をいだいた時、とある事件が起こりました。
2回目の検査での全身麻酔中、先生から電話がかかってきました。
一番奥の小さい歯2本がよくないから抜いてもいいか?という内容
(また歯を抜くことによって、辛い思いをさせないか?)
(そんなに悪いからとポンポン抜いてもいいのか?)と頭を過ります。
不安な思いを先生に伝えると、怒った口調で「歯を抜いても生活に影響はでないと言ったでしょ?!今抜かないとあと半年も持たない!」と言われました。
”半年持たない”とはどういう意味なの…?返事を急かすような言い方だったので質問する気にもなれず「自分の目で見て確認していないので今回は抜かないでいいです」とお伝えしました。(結果的に抜かなくて良かったです。それから4年経った今も持たないどころか何も問題はありませんでした)
歯の検査と掃除のために毎年全身麻酔を使うことに不安を感じていた上、先生の態度に不信感を覚え、病院へ通うのをやめる決断をしました。
毎日歯磨きをして自分の目でこの子の歯に問題が無いか注意深くみようと思いました。
動物病院での総額
診察5回・血液検査2回
抜歯手術<全身麻酔>約15万
検査・掃除<全身麻酔>2回(約4万/回)
合計金額は約27万円
9歳(2017年)
最後の歯の掃除から約2年間は歯の状態に大きな変化は見られませんでした。
しかし、2年が経った頃、左下の犬歯から出血し、顎が腫れたので以前とは別の歯科のある動物病院へ連れていきました。
抜歯を勧められましたが、取り急ぎ腫れの引くお薬を処方してもらい翌日には出血は止まり、顎の腫れも引きました。
(抜歯以外方法は何も無いのか?全身麻酔は避けたい…)
自宅で出来るケアとして熊笹エキスやコウヤマキエキスを配合したジェルなどたくさん試しました。
左下の犬歯が傾き、口の外に出るようになってきました。(2年前にフラップ手術を行った歯です。)
歯の傾きの経過写真
10歳(2018年)
右下の顎が腫れているのに気がつき、病院へ連れていきました。
腫れの引くお薬を処方してもらいましたが、根本治療にはならないので、やはり抜歯を勧められました。
ただし、犬歯の抜歯は大ごとになります。
(もし手術をするにしても信頼のおける先生にやってもらいたい。)
そう思っていたら主人から「今日行った動物病院で抜歯するのはない」と言われました。すぐに抜歯に結びつけるところが気に入らない、本当に抜歯以外に無いのか?という理由で。
改めて動物病院を探すことにしました。
2018年4月の歯の状態
『動物病院=抜歯』と思っていた私には思いもよらない病院を主人が見つけてくれました。日本で唯一のペットの歯科治療を専門に行なっている花小金井動物病院
無麻酔での治療を行っている病院です。
人は歯の治療をするのに全身麻酔をしないですよね? 麻酔がどれだけ体に負担の掛かるものかというのは考えたら誰でもわかることですし、動物の医療も人の医療に近づけるべきであり、それが僕の理想です。ですから当院では、歯の治療でできるだけ麻酔を掛けません。 引用元:ドクターズファイル 花小金井動物病院
全身麻酔で抜歯手術をした先生からは「無麻酔の歯石取りは悪」ということを言われてきましたが、花小金井動物病院は、無麻酔でも歯周ポケットの中まで掃除ができ、投薬治療も行なってくれます。
単純に考えて、ご自分が口内炎で歯医者へ行って「歯を抜きましょう」と言われたらどう感じますか?皆さん拒絶したくなると思います。犬や猫だって同じなんですね。ですから当院へはペットの歯を抜きたくない飼い主さまが多くいらっしゃいます。当院はそのような患者さまに応えるためにも抜かない治療を心がけますし、常に勉強していないとそれもできないですね。また、歯がないと舌が外に出てしまうために乾燥を引き起こし、それが原因となって他の問題を引き起こす可能性があるためという理由もあります。引用元:EPARKペットライフ 花小金井動物病院
インタビュー記事を読んでペットの目線で考えてくれていること、歯科治療専門の病院であることに信用できそうだと感じました。関西在住なので遠方になりますが、ここにかけるしかない!そう思い予約の電話を入れました。
初診で処置するには3ヵ月近く待つことになりました。処置より先に少しでも状態を見てほしくて相談したところ、処置無しの診察だけなら間に入れてもらえるということで、もう少し早めの日程でも予約を入れることができました。
電話予約での丁寧な対応に期待が膨らみます。
2018年7月の歯の状態
”抜歯は歯の安楽死”
待合室に貼られている言葉です。
問診でこれまでの歯の手術や治療についても全てお話しました。
先生から「フラップ手術は要らなかった」と言われ、それが原因で歯が傾いた可能性があると言われ、愕然としました。
なぜ抜歯がよくないかと言うと
- ・抜歯すると歯茎が変形するので口の中にいろいろな問題が出る
- ・抜歯した横の歯から悪くなる可能性がある
そして極めつけが
”生活に支障がないから抜歯しましょう”と言われ、自分のことでも歯を抜きますか?と言われ、ハッとさせられました。
更には正しい歯磨きの仕方も教えていただきました。
これまでの濡らしたコットンで拭くケアは全然だめだということを知ります。
コットンで拭くだけでは歯の表面の汚れしか取れないし、歯茎を傷つける恐れがある。歯ブラシでないと、歯の奥や間の汚れが取れません。
これも人間に置き換えれば分かることだなと思いました。
使う歯ブラシは
口腔外科手術後に使われているというとても柔らかい歯ブラシ
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手で触れてもとても柔らかい。
筆のようににとても柔らかいブラシで、口腔外科手術後や知覚過敏、シェーグレン症候群など歯肉が非常に敏感な段階、また粘膜ケアなどに適しています。
まずは自分の歯で使ってみるとワンちゃんに痛くない力加減で磨けると言われました。
「よくすることは出来ないけど悪くするのを止めることをするしかない」という結果でしたが、問診ではいろいろなモヤモヤが解消されました。
処置無しでの予約でしたが、ほんの少しだけ処置もしてもらえることになりました。
うちの子は大人しく、意外とスムーズに処置できたようです。犬歯から膿が出ているということで取ってあげるように言われました。
次は最初に電話で取った予約日(初診から2ヵ月後)に処置してもらいました。
2018年9月の歯の状態
全ての歯の処置が終わるまでには3回程度必要だと言われていましたが、歯の本数が少ないこと・嫌がらずスムーズに処置させてくれることもあり、今回で全部の歯の処置が完了しました。初診の際に(初診から3ヵ月後)さらに次の予約を取っていた為、2018年は3回通院しました。
初診料 2800(再診料1400)
処置料 4800
投薬料 2500
毎回税込みで1万円以内に収まります。
11歳(2019年)
歯の全体の処置が完了してから3ヵ月後に予約入れていたのですが私が病気をしてしまい、泣く泣くキャンセル。
次の予約を取った結果、なんと前回から半年も空いてしまったのですが、歯の状態は問題なく「膿」も出てないと言われました。
歯磨きがうまくいっているんだねと言われ、とても嬉しくなりました。
この年、花小金井動物病院へは2回行きました。
正しい歯磨きを行ない、定期的に歯の掃除&投薬治療をしてもらってからは、以前と比べ物にならないくらい歯石のつくペースも遅く、出血や腫れがでることは無くなりました。
以後、半年に1回のペースで通院する予定です。
これからもうちの子の歯と毎日向き合って歯磨きを続けていきたいと思っています。
12歳(2020年)
コロナの影響で半年に1回の通院を自粛しております。(関西→東京で遠方のため)
やはり歯周病が進行しているせいか歯茎の後退や歯のぐらつきが目立つようになってきました。少しでも進行を遅らせたく先月からデンタルジェル(ドクターワンデル)を使い始めました。
歯磨き後に塗り始めてからブラッシングでとれる歯垢の量が減りました。お口のにおいもスッキリ!
病院へ行けない不安を和らげてくれる予感もあり続けて使用する予定です。
→2020年10月
GOTOトラベルが動き出した頃に病院に行ってきました。約1年ぶりの歯のお掃除です。
先生から「歯磨きできてますか?」の問いに「忙しくて2日に1回になる時が多いです」と答えると「それはやっていないのと同じです」との返答。
- ワンちゃんの歯垢が歯石になるスピードは早い(2日で歯石になる子もいる)ので2日に1回だと間に合いません
- 歯石にご自分なら毎日歯磨きしないと耐えられないですよね
ごもっともなセリフに大反省しました。
歯ブラシは毎日すること
また、上の犬歯の裏の穴が鼻まで通ってるかも(歯周病が進行してる)とのこと。
上の犬歯の裏側は盲点でキチンと歯磨きできていませんでした。犬歯の裏側は悪くなりやすい場所だということです。(もっと早く知りたかった)
現在は犬歯の裏側もきっちり歯磨きしています。
今後の経過も引き続き記録していきます。
ワンちゃんの歯のケアの大切さが少しでも広まって、同じような思いをするワンちゃんが少しでもいなくなりますように。
▼もっと早く知りたかった!と後悔しないために…
【動画付き】犬の歯磨きの正しいやり方と今まで試したデンタルケア用品を紹介